棚卸作業が大きく変わった!塗料倉庫の在庫管理

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はじめに

弊社の決算は毎年6月。この時期になると、以前は社員総出で憂鬱な作業に取り組んでいました。それが塗料倉庫の棚卸作業です。しかし、システムの開発により、この作業が劇的に変わりました。今回は、その在庫管理システムの活用のお話しをします。

4年前までの塗料倉庫の棚卸は、塗料でぐっちゃぐっちゃになった倉庫に入るところから始まります。このぐちゃぐちゃな倉庫の環境で、丸2日間かけて一つ一つ確認していく作業です。使えるか使えないかを判断しながらの作業は、大変です。特に、古い塗料缶の状態を見極めるのは経験が必要で、ベテランの職人が行います。

アナログな記録作業

システムがなかった当時の作業手順は以下のようなものでした

  1. 一缶一缶を秤に乗せて重量を計測
  2. 塗料メーカー名を確認・記録
  3. 商品名を記録
  4. 台帳に記入してる情報をExcelに入力
  5. Excelデータに一つずつ商品の残量に対しての金額を入力

この作業は、とんでもなく大変な作業の繰り返しでした。特に、手書きでの記録は字が汚れて読めなくなったり、計算ミスがをしたりと、精度の面でも問題がありました。

ITベンダーとの出会いでシステム検討

課題の明確化

棚卸に時間が掛かるのはもちろんのこと、どこに何塗料がどれだけあるか分からない。何とかこの塗料倉庫の在庫が分かる仕組みができないかと考えるようになりました。具体的な課題として以下が挙げられました:

  • 倉庫まで行かないと塗料が倉庫にあるかどうか分からない
  • 営業所から倉庫まで往復1時間掛かる
  • 手作業による精度の問題
  • 塗料倉庫がぐちゃぐちゃ
  • 棚卸に時間が掛かり棚卸が大雑把になる

自社で在庫管理システムができないか?

インターネットで調べたり、しましたが、塗料倉庫に特化した在庫管理システムは見当たらず、研修で知り合ったITベンダーに相談したのがきっかけで塗料倉庫の在庫管理システムの開発に取り掛かりました。

システム開発、導入

運用

システム開発には時間が掛かりましたが、まず倉庫の片付け、棚の設置、不要な塗料の廃棄から始まり、雨の日に職人チームと一緒に倉庫作りから始めました。それと同時にシステムの開発をおこないました。塗装屋が自社で使いやすいように作った倉庫に合わせたシステムですので、凄く便利で使いやすいです。スマホの画面も職人チームが使いやすいようにシンプルに作りました。

棚卸作業時間の大幅短縮

システム導入後、棚卸作業は驚くほど簡単になりました。なんと、在庫一覧をCSVで出力するだけで棚卸が完了するのです。これまで2日間かかっていた作業が、文字通り数分で終わるようになりました。現在の棚卸作業は以下のような流れです:

  1. システムにログイン
  2. 棚卸機能を選択
  3. 在庫一覧をCSV形式で出力
  4. 出力したCSVファイルを税理士さんに送信

たったこれだけで、以前は2日間かかっていた作業が一瞬で終わります。

手作業での記録から自動出力に変わったことで、人的ミスが大幅に減少しました。また、リアルタイムでの在庫管理により、常に正確な在庫情報を把握できるようになりました。

投資対効果の実感

初期投資の回収

システム導入には初期投資が必要でしたが、人件費の削減と作業効率の向上により、短期間で投資を回収できました。特に、お客様に在庫塗料を提案することで、廃棄量の削減にも繋がりました。

長期的に見ると、正確な在庫管理による適正在庫の維持、在庫切れによる機会損失の防止など、様々なメリットを享受しています。

今回の体験を通じて、デジタル化の力を改めて実感しました。在庫管理システムで、これほどまでに業務効率が向上するとは思いもしませんでした。塗料倉庫に特化したシステムが使いやすさに繋がったと思います。


よくあるQ&A

Q1. 棚卸以外でもシステムは活用されていますか?

A. はい、日常的な在庫の出入り記録や、使用予定や持出中もリアルタイムで確認ができます。
また、余った塗料を別の現場で再活用できるようになり、無駄が減りました。これはSDGsの観点からも評価されています。


Q2. 現場の職人さんたちは、システムを使いこなせていますか?

A. もちろん最初は戸惑いもありましたが、スマホでも操作できるように設計しているので、すぐに慣れてくれました。
入力ミスが起きにくく、誰でも簡単に使える画面設計を重視しました。


Q3. システム導入で一番助かった点は何ですか?

A. 一番大きいのは「時間の節約」と「正確な在庫把握」です。
今では「この塗料、どれくらい残ってる?」という問い合わせに、営業所からでもスマホで確認できます。無駄な往復移動や探す手間がなくなりました。

まとめ

塗料倉庫の棚卸だけではなく、日々の作業増しては廃棄量の削減にまで繋がっています。

塗料業界の皆様にも、ぜひこの効率化を体験していただきたいと思います。適切なシステムの導入により、皆様の業務がより効率的で快適なものになる事と思います。

技術の進歩と、それを活用することの大切さを、改めて実感してます。


この記事を書いたスタッフ

福本 満壽男

代表取締役

福本 満壽男(ふくもと ますお)

株式会社フクモト工業の代表取締役、福本満壽男です。高校卒業後から塗装一筋、創業66年の伝統を受け継ぐ2代目として、「塗装で守る快適住宅」を目指し、日々現場と向き合っています。 外壁・屋根塗装を中心に、リフォームやエコキュート工事、塗装業向け在庫管理アプリ「らくらく塗装屋さん」の開発・普及にも取り組んでいます。

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